2023.04.26 Wed

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nojimoku

きみの「“生”の本質」は何か?

#トピック, #のじもくインターン生のブログ

〈2022年9月12日~23日にインターンをしてくれた堀崎航くんのブログです〉

「何のために生きているのだろう?」
「幸せって何だろう?」

これらは、ぼくが常に心に抱いている疑問だった。

「眼」は「生」「幸せ」のヒント? 個人的に好きで載せちゃいました(笑)

修士1年の夏、半年後の就活解禁を控え、
「働く」ことについて真剣に考え始める時期に
ぼくは野地木材工業株式会社を訪れた。

所謂大企業のインターンに奔走していた友人たちは、
ぼくが三重県熊野市の製材所のインターンに行くことを知ると、
「どうしてそんなところに行くの?」
と疑問を投げかける。

「生きるとは?」
「幸せとは?」
この問いに答えを見出せずにいた自分は
どういう仕事で”生”を繋いでいきたいか分からず、
「働く」ことに迷っている真最中である。

いくつかの企業で業務経験はあるが、
そのどれもが腑に落ちない。

仕事内容や働き方ではない
もっと根本的な「何か」がそこにある気がして
“のじもくインターン”に参加したいと思ったのだった。
(専務や青木さんには、最初に聞いていたことと違うぞと思われそうです…笑)

ホームページからの拾い画ですが、いい写真すぎた…

2週間の“のじもくインターン”で、
実に多くのことを経験した。

様々な打ち合わせに参加させて頂き、
野地木材工業の経営戦略と未来のビジョンを知った。

社員に近い位置で工場や事務所の現場に触れさせて頂き、
野地木材工業の業務内容と現場の雰囲気を体感した。

野地木材工業が業務以外に行っている取り組みに参加させて頂き、
林産業を未来につなげる想いやその必要性を痛感した。

その他にも従業員や地域の方々とのお食事など、
朝から晩までスケジュールを組んでいただき、
様々なことを考えさせられるとても濃密な2週間だった。

“のじもくインターン”で感じた
野地木材工業の業務内容やその仕事のやりがい、
林産業や製材工場としての今後の在り方などは話せばきりはないが、
過去の岡田さんのレポートで秀逸にまとめられているので、
是非それを参照されたい。
そして、”のじもくツアー”に参加し、
そのリアルを皆さん自身の目で確かめてほしいと思います。

同じようなことを書いても仕方ないと思ったので、
ぼくは寧ろ”のじもくインターン”で見つけた
もっと根本的な「何か」の手がかりについて書きたいと思う。

【岡田さんの”のじもくツアー”レポート】
URL: https://www.nozimoku.co.jp/2020/12/23/post-2968/

”のじもくインターン”の中で
心に強く残っている言葉がある。

それは
「味わう」
という言葉だ。

“食”を「味わう」
“職”を「味わう」
“暮らし”を「味わう」
“生”を「味わう」

浅いようで深い、当たり前に使われている
この三文字の言葉は、
「その本質に触れているか?」という問いであり、
激動の現代における、とても重要な視点を示していると感じた。

そして、ぼくの「生」「幸せ」「働く」に対する迷いは、
自分の周りで当たり前とされているそれらの答えが
「その本質に触れていない」からであるということに気が付いた。

「働く」という点で掘り下げれば、
その企業や業務が社会に生み出す価値は、
“社会が本質的に求めている価値ではない“ということであり、
高給を求めて仕事を選ぶことは、
“「生」や「幸せ」の本質ではない”ということである。

もちろん、そういった仕事や考え方を否定しているわけでなく、
あくまでそれらが、ぼくにとって
「本質的なものではなかった」
ということを改めて書いておきたい。

この「本質的か否か」という視点で考えると、
“のじもくインターン”で見た
野地木材工業の姿、そして野地木材工業の今後のビジョンは、
極めて本質的なものであると感じた。

長い時間、手間暇かけて育まれた原木を原材料とし、
その魅力を最大限引き出す、価値ある製材と加工を通して
「生」や「暮らし」の最も重要な要素の一つである「住」、
すなわち家の豊かさを生み出す。

建材の枠を超え、家具やその他の製品にもその価値を波及させ、
「味わい」の連鎖を作り出す。

そして、林産業に確かな価値を創出することで、
「味わい」のサイクルを未来に繋げる。

そのどれもがとても本質的で魅力的なものだった。

もし、野地木材工業をこれから訪れる方が
このブログを読む機会があれば、
是非、「味わう」や「本質的」といった視点で
野地木材工業の姿を見てほしいなと思う。

そして、そこで感じたものをもとに
日々の暮らしや生活を改めて考え直してほしいと思う。

ぼくにとっては、今後の人生の考え方に大きな影響を与えるものを得た
2週間の”のじもくインターン”だった。

野地木材工業の皆さんと、一緒にインターンに参加した桂川さんとの一枚

【あとがき】

まずは、不束者のぼくを快く受け入れてくださった
野地木材工業の皆さんや地域の皆さんに、厚く感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。

Zoom打ち合わせやLINEで
どういうことを野地木材工業でやってみたいか尋ねられたときに
大きくふわっとした内容しかお答えできなかったため、
専務や青木さんを悩ませてしまったとお聞きしました。
申し訳ございません、、、

そんな回答でも色々得るものがある、
プログラムの作成やスケジュールの調整などして頂き、
本当に感謝しかありません。

お忙しい中、時間を作っていただき、
誠にありがとうございました。

一般的に見れば、厳しい環境にある熊野の地で
これまた厳しい状況にある林産業に携わられ、
「熊野の地だからこそ活かせること」
「林産業だからこそ生み出せる価値」
を真摯に考えなおし、実行していく姿は
素直にとてもかっこいいなと尊敬しています。

野地木材工業を訪れるまでは、そういった世界が
地方の地域やいわゆる縮退産業の中に存在することを
全く知りもしませんでした。

ぼく以外の多くの人にも、
是非この世界が広がる体験をしてほしいなと思います。

このブログが、皆さんにとって
何かを掴むきっかけになることができれば幸いです。

本当にありがとうございました!

早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻 修士1年 堀崎航

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