木材の美観基準って、皆さんどうやって決めているのかな?
製材時に節のあるものないもの、化粧材として使えそうなものを選別します。
それから木材を乾燥させて、含水率、サイズ、反りが規格内のものをさらに選別します。
さらにその後、赤みの色味、源平のバランス、杢目の通り、年輪の緻密さ、白太の彩度などなど様々な観点でさらに選別。
そして最後に部屋ごと、窓ごとに色合いが揃うものを選別し、セットにして梱包していきます。
こんなことをしていると、製材時に仕分けたものから内装材として使えるものは20〜30%となります。
これを設計図面で品名、等級で表記すると”杉 枠材 上小節”となるわけなのですが、この写真の板20枚は、製材時に選別するとすべて”上小節”の材なんですね。
しかしながら、内装材として各材木屋さんや製材所に注文すると各々の基準で定められた”上小節”があり、それ故に設計者や注文者の「思ってたんと違う」”上小節”が届くことはよくあることだと思います。
この問題に対処すべく野地木材工業ではどんなお客さんから注文きても通るであろう選別基準を設けているわけですが、その結果、使えるものが製材時に選別したものの20〜30%しか使えず、それがコストとして反映されて売価に繋がっています。
僕らのこの選別基準は果たして正しいのだろうか。
オーバークオリティーなんじゃないか。
もっとお値打ちに使ってもらえて、僕らの歩留まりも上がるような選別基準、やり方、売り方はあるんじゃないのか。
野地木材工業ではそんなことを問い直すプロジェクトを立ち上げました。
設計者や工務店、大工さん、色んな方のご意見も聞きながら最適値を模索していこうと思います。
野地伸卓