2025.09.23 Tue

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早稲田大学 高口研究室

熊野こどもだいがっこう2025 林業体験を開催しました!

#トピック, #熊野こどもだいがっこう, #遊木の改修プロジェクトwith早稲田大学

こんにちは!早稲田大学の林です。

2025年9月6日に第2回熊野こどもだいがっこうの林業体験を実施しました!

今年は、漁業、林業、建築業の3つの繋がりをより強く意識した授業内容へと進化したプログラムを用意しました。

山で伐採された木が、市場で目利き、競り、木取りの過程を経て製材され、木製品が街へと届けられる流れを頭と体を使って楽しく学ぶことが目的です。

◆熊野こどもだいがっこうとは?

熊野の漁業や林業・製材業を営む企業と、早稲田大学・三重大学・近畿大学が共同で作り出していくプログラムです。小学生を対象とした職業体験を通じて、大学生と共に熊野の産業を学び、将来を考える機会を提供しています。

今年は、3大学が1日ずつ別々の日に職業体験を提供する特別プログラムで開催しました!

三重大学主催の漁業体験を8月下旬に、近畿大学主催の建築業体験を9月中旬に行いました。

今年は、開催日の1週間ほど前から台風予報が出ており、当日に直撃するかとハラハラしておりましたが、前々日に通過しましてなんとか免れました。(雨が降ると山の斜面がぬかるんで、間伐体験ができなくなってしまうのです…)

【準備日:大学生のみで予行演習】

去年と同様にnojimokuさんにご協力いただき、熊野原木市場の会場をお借りしました。授業内容は子供たちが理解しやすいかどうか、ゲームは滞りなく進行できるかどうか、各々が役割を確認しつつ準備を進めました。

セーザイゲームに使う「木取りカード」をチームごとに仕分ける様子。
窓枠や床板、柱など木製品のリアルな価値やサイズを実感しました。
実際に授業スライドを回しながら、流れを確認します。丸太を仕入れるセリに大興奮の学生たち。より節の少ない丸太を仕入れるため、夢中で札を上げる様子。

【林業体験当日:朝の会】

原木市場にて朝の会からスタートしました。すでに三重大学の漁業体験プログラムで顔合わせをしている為か、お互いに「よっ、久しぶり!」と声を掛け合い、親しげな様子でした。KKDを通して子供たち同士の絆が育まれていることを実感しました。

まずはお互いに自己紹介。ペアになる大学生と子供たちが顔合わせをします。
セリ前の丸太が並んでいる脇を通り、山の入り口に向かいました。丸太の間を鋭い目つきで
目利きをする方がゆっくりと歩き回り、静かな緊張感が漂っていました。

【林業体験当日:間伐体験、いざ入山!!】

登るにつれ、開けてくる視界。道の片側には一歩踏み外せば下まで転げ落ちてしまいそうなほどの急斜面が続いていました。切り倒された後の木の断面が斜面に点々と取り残されているのを見た子から、「あんなに急な坂道できこりさんたちがお仕事しているの!」という驚きの声が上がりました。

【山の上で青空教室】

間伐体験の現場の近くで、間伐を行う意義やきこりさんたちが実際に使用する道具について授業をしました。きこりさんが道具箱から実際に道具を出して見せてくれました。子供たちと共に、鋭い刃や重量感のある木製の持ち手に自然と対峙するきこりさんの逞しさを感じました。

【きこりさんと間伐体験!】

↑臆することなく、お互いに手を握り合って斜面を登っていく子供たち。

ノコギリを使って間伐体験を行いました。ノコギリを力いっぱい引いては休憩して、また引いては休憩してを繰り返して懸命に刃を食い込ませる子供たち。倒す方向をコントロールするため、倒したい方向に三角形の切れ込みを入れます。

チェーンソーは危ないのできこりさんと一緒に使います。瞬く間に丸太が真っ二つになりました。「早っ!」文明の利器に感動です。この後、山の上でお弁当を食べ下山しました。

【授業とセーザイゲーム】

原木市場に戻ったら、再び製材業に関する授業。今度は木材を製材して製品にするまでの流れを中心に説明しました。間伐体験で頭と体をフル回転させ、疲れているかと思いきや真剣に耳を傾けてくれました。

授業の後はセーザイゲームをしました。5チームに分かれ、子供たちが製材会社の社長となって原木を仕入れ、木取りをして製材をします。

より節の少ないSランクの原木を競り落とすため、一生懸命に札を上げます。「○○円まで値上がりしたら、札を下げる」「○○cm以下の原木は仕入れない」それぞれのチームで戦略を立てて競り落とす姿が印象的でした。

競りの中盤に差し掛かる頃には、素早く木札カードを原木ボードの上に収められるようになり、競りへ参加するスピードが上がって行きました。

【原木で目利き体験】

セーザイゲームの後は原木市場に降りて、授業やゲームを通して身につけた知識を使って、実際に競り落とされた後の原木の目利きをしてもらいました。原木5本のうち最も高い値段で競り落とされた原木を当てるクイズでは、5本のうち、節の多い2本を一瞬にして見分け、残りの3本に絞り込む様子に驚きました。学習内容を実践する姿に改めて子供たちの吸収能力の高さを実感しました。

【製材所見学】

最後に株式会社nojimokuの野地良成さんの案内の下、製材所の見学を行いました。皮がむかれた原木が機械で次々と床板に切り出される様子に見とれる子供たち。「切った後の板の端っこはギザギザだね」普段目にする表面処理を施した製品と、切り出されたばかりの板の違いに驚きます。

【まとめの授業】

見学が終わったあとは紙芝居で1日のプログラムで学んだことを振り返りました。山の上で行ったクイズと同じ内容のクイズを出したところ、回答スピードが格段に早くなっていました。「今日の朝やったもん!」大切な内容を繰り返すことの重要性に改めて気づかされました。

最後にnojimokuのショールーム「木挽座」にて皆で集まってカレーを食べました。間伐体験から製材所見学まで密度の高い1日で満たされた子供たちの表情が輝いて見えました。本プログラムを通して、木材が山から伐採され、市場にて競り落とされた後に製材される、という熊野の木材が山から町までの繋がりを頭と心と体で感じてもらえたように感じました!

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