2026.01.07 Wed

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野地伸卓

最高の年賀状

#トピック, #熊野こどもだいがっこう, #社長ブログ

2026年の幕開け。
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
nojimoku代表、野地伸卓です。

さて、 正月休み特有の、あの少し浮足立ったような、それでいてどこか気怠い空気もようやく落ち着きを見せ始め、日常という名の歯車が再び回り出した出勤日初日。
なかなかテンションが上がらないまま僕は出社した。

というのも2025年の終わり、僕は経営者として一つの、かなり重い決断を下した。
nojimokuの製品の値上げである。

この物価高騰の波の中で、社員の生活を守り、その家族を幸せにするためには避けて通れない道だった。 けれど、決断したあとの僕の心は、ずっと曇り空のようだった。
お客様に負担を強いる申し訳なさと、
「これでお客様が離れていったら、nojimokuはどうなるんだろう」という、経営者特有の生々しい恐怖。

そんなマインドはネガティブな思考を呼び寄せるモノで、昨年実施したの「熊野こどもだいがっこう2025」について思い返しては、年末僕の中では反省ばかりが渦巻いていた。

特殊な環境下で素晴らしいプログラムを企画して進めてくれた大学生達のがんばりと、運営スタッフの奮闘には、本当にすごくてすばらしいものができたと心からリスペクトしている

一方で僕自身が仕事に追われて十分な時間を割けなかったこと、諸事情で本来の合宿形式を断念せざるを得なかったこと、その影響もあってか、参加者が定員に達しないという、数字上の「負け」を経験した。
効率、コスト、成果。
そんな経営的なモノサシを当てはめて考えると

「このプロジェクトはこのまま継続すべきなのか」
「誰がこれを求めているのだろうか」
「学生たちの為になっているかな」
「みんなを巻き込んでいいのか」

そんな後ろ向きな思考が頭の中をめぐり、NHK紅白歌合戦での「ノッてくれ!HA HA!」僕の大好きななE.YAZAWAをもってしても、僕はまったくノレないまま年を越した。

ところが、だ。

会社に届いた年賀状に目を通していたら、一枚の年賀状に目がとまった。
ほとんどの年賀状が印刷物である中、めずらしく全編手描き。
宛名には、力強い文字で「野地校長先生」と書かれている。

送り主は、昨年実施した「熊野こどもだいがっこう2025」に参加してくれた、ある小学生の女の子からだった。
そこには子供らしい素直な筆致で、僕の心を揺さぶる言葉が並んでいた。

届いた年賀状の

「あたらしいゆめができました」

という一文。

それを見た瞬間、心が震えた。
そして僕が囚われていた「経営的な正論」は、一気に吹き飛んでしまった。

数値目標に届かなかった結果に対して、僕が勝手に「あかんかった」と決めつけていた場所から、一人の子供の人生に火を灯すようなエネルギーが生まれていた。

思うように事が進まずジタバタしたり、段取りがうまくいかず凹んだりしている中で、彼女は僕たちが意図した以上の何かを受け取ってくれていた。

これはもう、理屈ではない。
数値化もできないし、損益計算書に載ることもないけれど、
紛れもなく「起きた事実」なのだ。

人は、何のために働くのか。
会社を存続させる理由は、どこにあるのか。

結局のところ、それは誰かの心を動かし、誰かの幸せに微力ながら貢献するためではないか。
誰の役にも立っていない仕事なら、たとえ通帳の数字がどれほど増えても、僕が人生をかける価値は感じないのかもしれない。虚しいと感じるだろう。

逆に、これほどまでに誰かの力になれているという事実があるのなら、僕はどんだけでもがんばれる気がする。
とすると、僕の役割とは、その「場所」を死守すること、ただ一点に集約される。

そんなことを考えてたら、昨年末の値上げという苦渋の決断も、僕の中で少しずつ形を変え始めた。
それは単なる価格の変更ではなく、社員が安心して情熱を燃やし続け、子供たちやお客様に「ワクワクする未来」を届け続けるための、いわば「覚悟の証明」なのだと思えるようになってきた。

お客様には負担をかけてしまう。
それは事実だ。
だからこそ、僕たちはその価格以上の価値、

つまり「nojimokuにしかできない貢献」を追求し続けなければならない。

彼女が抱いた夢が、具体的にどんなものかは分からない。
けれど、その夢の原風景に熊野の山や海、そしてnojimokuの木の香りが混じっているのなら、僕たちはそれを絶やしてはならないと思った。

2026年。
僕は結果に囚われることを、ちょっとお休みしようと思う。
効率が悪いとか、スマートじゃないとか、一旦置いておこう。

それよりも自分の心が震える方向へ、一つひとつ、不器用に足跡をつけていこうと思う。
目の前の一人を笑かすことができたのなら、その積み重ねの先に、nojimokuが進むべき本当の道があるのではないだろうか。

2026年のよいスタートを切る、最高の年賀状を頂いた。
本当に心から感謝です。
ありがとう。
期待に応えられるようがんばります!

皆さん、今年もnojimokuをどうぞよろしくお願いします。

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