プロフィール
伊礼智|伊礼智設計室
1959年、沖縄県生まれ。1982年に琉球大学理工学部建設工学科を卒業後、東京芸術大学大学院美術研究科に進学し、建築科を修了。丸谷博男+エーアンドエーを経て、1996年に伊礼智設計室を開設。2005年から日本大学生産工学部建築工学科居住空間デザインコース非常勤講師、2016年からは東京藝術大学美術学部建築科非常勤講師を務めた。2006年「9坪の家」、2007年「町角の家」でエコビルド賞を受賞。2013年にはi-works projectでグッドデザイン賞を受賞した。『伊礼智の住宅設計作法』ほか著作多数。仕事の中でnojimokuの製品を使用するほか、小谷、関本とともに「のじもく酒場」のレギュラーも務めた。
関本竜太|リオタデザイン
1971年、埼玉県生まれ。日本大学理工学部建築学科を卒業。設計事務所勤務を経て、2000年フィンランドヘルシンキ工科大学(現アールト大学)に留学、現地の設計事務所でもプロジェクトに関わる。2001年に帰国し、リオタデザインを設立。『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』をはじめ、設計手法に関わる著作も多数ある。設計案件ではnojimokuの製品を多く使用するほか、小谷、伊礼とともに「のじもく酒場」のレギュラーを務めた。
小谷和也|マスタープラン/小谷和也設計室
1975年生まれ。国産材の注文住宅を手掛ける地場工務店で木の家の設計に取り組み、2006年に独立。中古マンションを国産材を使った木の空間に変える「木のマンションリノベーション」を提唱。また、無垢材を床に使う際の遮音性能確保やマンション特有の結露、カビ対策、断熱改修にも取り組み、関西、関東で幅広く設計活動や講演、社内研修などを行う。近年はデンマークを中心とした北欧家具コレクターであり、また、たためる家具の収集家として執筆活動も行っている。オリジナルデザインのたためる家具や雑貨、建材も開発中。nojimokuとは、小幅板風羽目板、こなみいたの共同開発を行ったほか、伊礼、関本とともにNOZIMOKUTVのYouTube企画「のじもく酒場」のレギュラーも務めた。
――nojimokuとの出会いから、お話をお聞かせいただけますか?
小谷 何年前なのかちょっとはっきりとは分からないですけど、出会ってもう10年弱かな。ただしばらくは、顔は知っていて喋ったこともあったけど、別段なにかを一緒にしたというのはなかったと思います。nojimokuさんの材料を初めて使ったのは2015年です。最上階の部屋で、勾配天井を杉でやるのにnojimokuさんの材料を使いました。
関本 小谷さんは最初、nojimokuさんとどういうきっかけで知り合ったんですか?
小谷 MOKスクールで僕が喋らせてもらった時か、僕が聞きに行った時か分からないですけど、たぶんその懇親会で会ったと思うんですよね。まきちゃん(※野地麻貴 広報・営業担当)だけやったか、野地くん(※野地伸卓 代表取締役)もいたかちょっと覚えてないですけど。その時は「あ、材木屋さんなんや」みたいな感じでした。ただのじもくまとかね、なんか変なことをしてるじゃないですか。それでしばらくは変な人やなあと思って、ちょっと距離を置いてたんです。こういう売り方上手い人はだいたいちょっと変な人が多いと思って。まあ、会ったらやっぱり変な人でしたけどね(笑)。それで、2015年頃に初めてnojimokuさんの材料を使ったんですが、その現場のオープンハウスにわざわざ野地くんが来てくれたんですよ。熊野から大阪まで出てきてくれて。そこからですね。
関本 僕はたぶん、小谷さんが例の小幅板風羽目板をnojimokuさんとつくったとき、それをうちにもサンプル送ってもらおうと思ったのが最初です。だからそうですね、小谷さんからの紹介で、小幅板風のあたりからの関わりですね。伊礼さんも野地さんの材料を使ったのは、小幅板風からですか?
伊礼 確か小谷さんと野地さんがうちの事務所に来たんですよ。営業というか売り込みですよね。そこで使ったのが最初です。桧で使ってほしいって話だったんですけど、アアルトだったら杉の赤身の方が合うんじゃないかな、と。それで赤身の見本を作って送ってもらって、反る可能性があるから裏にも筋入れてもらって、使い始めました。最初の頃、小幅板風の桧は小谷さん、杉の赤身は僕みたいな感じだったと思います。なかなか面白かったですよね。簡単な話なんだけど、ああいうのはあんまりやってないもんね。
関本 そうそう、本当にありそうでなくて。小谷さんが小幅板風をつくられる前から、僕もずっとアアルトの小幅風の板を天井に使いたくて、2012年頃リブみたいなパネルを住宅の天井に張ってアアルト風とか言って悦に入っていた時があったんです(笑)。その頃から、工務店さんにこういう小幅のもうちょっと幅の狭い羽目板はないか聞いていたんですけど、そんな小さいのはないとか言われてました。誰に頼んでいいかも分からなくて。だから、野地さんが積極的に作ってくださる方だったので、すごく助かりました。
小谷 いやー、変わった材木屋さんですよね。
伊礼 メッセンジャーの写真も変だよね。最初なにこの人って思ったもん。あれ、奥さんだっけ?
小谷 いや、まきちゃんは普通やったと思います。野地くんがおかしいんですよ、ちょっと(爆笑)。
関本 たぶん、ロックミュージシャンになぞらえたんじゃないですか(笑)。
伊礼 そうそう。面白いなと思ったのはね、nojimokuさんの小幅板風を単に使うだけじゃなくて、それぞれ自分で工夫してるんですよ。その辺がまた広がりが出て面白かったですね。それぞれちょっと使い方が違う。天井じゃなくて壁使いとかね。関本さんは壁で使ったりしてますか?
関本 壁では使ってないですね。小幅板風のやつは、洗面所と浴室に限定して使っているんです。僕は長尺で使った時に、小幅板風がちょっと途切れるのに違和感があると思っていて。だから長尺で使う時は、小幅で本当に細く割いた羽目板を作ってほしいと頼みました。そういうリクエストにもnojimokuさんは応えてくれて、過去には小幅板風じゃなくて小幅で張らせてもらったこともあります。
伊礼 僕はね、前から割とうねった天井とかを時々やっているんです。この間もnojimokuさんの60幅のやつで、ちょっとゆるいRでやったんですが、すごくうまくいきました。今回は杉の赤身だったんですけど、それを見ていて、桧でやっても綺麗そうだなと思ったんです。Rとか上品になりますよね。そういうのもまたやってみたいと思います。
あと、この間送ってもらったこれですね(※巾接ぎパネル)。いま、小さい小屋をやってるんですけど、そこのJパネルを全部これに変えたんです。あとで値段見て、すごく高いことに気づいたんだけど(笑)。でも綺麗だから、まあいいかとか思って。これでテーブルも作ろうと思って、いまその小屋用のテーブルを描いてます。なんだか使いたくなる感じがあって、すごく面白いんだよね。
小谷 そうですね。設計者の工夫次第で、こんな使い方をしたら面白いんちゃうかみたいなところをくすぐってくるのが、nojimokuはうまいかもしれないですね。
――すでにいろいろ出ていますが、nojimokuの特徴ってなんだと思いますか?
関本 はじめの話に戻ってしまうんですけど、僕は最初nojimokuさんを小谷さんに紹介してもらったときに、資料請求して小幅板風や羽目板を届けていただいたんです。そうしたら、黄緑色のクマちゃんの箱で届いたんですよ。あれがすごいインパクトでした。この可愛い箱で送ってきたのはどんな会社なんだろうっていうのがすごくあって。だからnojimokuさんの特徴を一つあげるなら、その広報戦略なのかなって思います。あれがまきさんの感覚、感性でやっておられるのか、伸卓さんも入っているのかは分からないんですけど。おおよそ地方の木材製材企業らしからぬ、垢抜けた広報戦略をとってますよね。
それに加えて、伸卓さんがすごく機械に詳しいというか、技術に明るい。コロナになっていち早く会社の一部をスタジオ化して、ものすごい機材であの配信を始めたわけですよね。その延長にこの間ののじもく酒場もあったわけですけど。自分は音楽をやってたからそういう機材に詳しいんだっておっしゃってますけど、あれがたぶん他の製材会社さんが真似できそうでできないところですよね。黄緑色の箱作るぐらいなら、まあできるんだけど。あの積極的な発信と、建築家というか設計者の懐にさっと入り込んで寄り添う姿勢というか。新建築の『住宅特集』とかを見ていると、西沢立衛さんなど結構大御所どころの方々が、nojimokuの木材を外装とか壁とかに大々的に使っていて。第一線の建築家の人たちからも絶大な支持を受けてるんだなとわかりますね。
小谷 その辺の大御所とかにも、まきちゃんがもうトップセールスというか、どんどん営業をかけてるわけですよ。すごいよね。逆にこじんまりしたところには「まきちゃんが来てくれへん」って言ってね(笑)。
伊礼 誰か「うちには来ない」とか言ってたね(爆笑)。
小谷 「まきちゃんが来てくれるようになるように頑張る」みたいなね。逆にこっちも頑張ろうみたいになるって言ってね。すごいですよ、ほんま(笑)。
関本 西沢立衛さんの住宅は『住宅特集』の表紙を飾った住宅で、本当に節一つない桧の羽目板が全面的に張られてる住宅だったんですよね。すごい綺麗だなと思ってよくよくクレジット見たら、野地木材って書いてあって、あ、これnojimokuさんなんだって思いました。
やっぱりね、まきさんの愛嬌もさることながらなんですけど、大御所の方にこれはいいって思わせるクオリティはすごいですよ。極めてモダンな現代建築にも寄り添う製品クオリティっていうんですかね。ちょっと軽く嫉妬しますね(笑)。
小谷 そういえば、2人はnojimokuにはまだ行ってないですよね。
伊礼 僕は行って講演会をやらせてもらいました。すごい遠いところで、向かう途中で一泊しようかと思いましたね(笑)。
小谷 そう、遠いんです。あと、nojimokuさん、思ってるよりデカい会社なんですよ。材木屋さんっていうから、もうちょっとこじんまりやってんのかなと思ったら、思ってるよりデカい。規模もデカいし、売ってる量とかも大きいんで、そういう綺麗なものをちょっといっぱい集めたりとかができる。あれ、小さい材木屋さんでは大御所の満足するクオリティの材料ってなかなか揃えられないから。原板とか原木をある程度抑えてなかったら、あれは無理やと思います。
――nojimokuの材を使われる中で、その質や魅力についてはどのように感じておられますか?
伊礼 ああいうのはあまりなかったので。それが自分の設計にも合ってるなと思って、今はほとんど全部の建築に使ってますね。この間小谷さんに売りつけられて着色したやつとかも(笑)。
関本 僕は、建主さんがあんまり和っぽいものを望まない方が多くて、ちょっとモダンな家をつくることが多いんですね。僕も和の感じは嫌いじゃないし、でも設計の中にあんまりこう和の要素をあまり入れたくない方で。だから、小谷さんは杉板とかをよく床に使われますけど、僕は杉を床に使うことがこれまであまりなかったんです。空間が和っぽくなったり、そういう色がつくことを自分で拒んできたところがあるので。杉を使うとお寺みたいになるから嫌だな、とずっと思ってたんですよ。
ですけど、同じ杉なのにnojimokuさんの板ってちょっと垢抜けてるんですよね。なんだろう、セレクトがいいのか、すごく粒立ちしてるというのか、うまく言えないんですけど。溝をつけて小幅にしたりする加工ももちろん功を奏してるんだと思うんですけど、ちょっとモダンなんですよね。なんだか、そういう感じがすごくします。
赤身とかが入るのが僕はあまり好きじゃないので、普段白太セレクトとかでやるんですけど、nojimokuさんの白太材ってすごい綺麗なんです。だから僕は結構好んで使ってるんですよね。もう一つ僕がnojimokuさんを使っている理由は、国産の地場の良材を使われてるんですけど、それに加えてちゃんとこちらのオーダーに答えてくれて、いろいろ豊富な品揃えで出してくださるからです。節ひとつない綺麗な材を揃えてくれるんですよね。そういう側面で結構nojimokuさんの製品を気に入って使っています。
小谷 あれでもね、杉の白太だけ集めるんじゃなくて、桧も使ったらいいのに。
関本 ちょっとピンクっぽくなるのがちょっと……。
小谷 なるほどね。
伊礼 逆に、僕は赤身が多いんですよ。もう杉の赤身を指定でいくんですね。杉の赤身のいい奴は値段が高くて、めちゃくちゃ綺麗なんです。関本さんのつくる空間は脂身の少ないスッキリした感じがありますけど、自分は空間でコクも出したいんですよ。それで赤身を好んで使うんです。なかなか桧にいかないのは、ちょっと黄色っぽくなって軽いから。それを使うなら、違う設計にしないといけないかなと思って。だからふげん舎(※ブックカフェ)ではね、桧にしたんですよ。あそこはちょっと軽い雰囲気にしたいと思って、普段住宅では絶対にやらない天井へのアッパーライトみたいな間接照明もやってます。そういう使い分けはちょっとしてますね。
小谷 あそこはすごく桧が合ってると思います。まあでも確かに桧は難しいですよね。普通にオイルを塗ってしまうとピンクと黄色になるんで。今もいろんなことを試してますけど、案外無塗装が一番綺麗だったりします。サンダーをかけておいたら、ちょっと色がぼけますし。それに、どの道焼けてくるんでね。そうしたら、ほんまに杉の赤身と見分けがつかないくらい、茶色くなるので。関本さ んも、桧うまいこと使ったら、なんか上品になると思うんですけどね。
関本 なるほど、ちょっとトライしてみます。
――小谷さんはnojimokuと一緒に製品の開発もされたと思うのですが、その中で意外な一面が見えてきたことなどありますか?
小谷 意外な一面……あんまり意外なとこはないですね。出会った時が一番意外だったんで(笑)。あんな緑のパッケージで送ってきたりとか、嫁はんがホームページにバーンって出てきたりするんで(笑)。だからもう少しいい加減なのかなと思ったんですけど、すごく真面目ですよね。
コロナに合わせてスタジオを作るみたいなフットワークの軽さもありますよね。それって、経営者にとってすごく大事な素質じゃないですか。だからやっぱり経営者としてすごく優れていると思います。林業のことも、いろんな小さい製材所が日本にどれだけあって、どこで何立米とれるみたいなデータもちゃんと取っていて。すごく勉強してるなっていうのが、付き合えば付き合うほどわかることですね。
伊礼 おもしろいねえ。僕、結構売れないミュージシャンが成功するパターンを見てきてるんだけど、その一人かもしれないね。昔ペレットストーブの開発をやったんだけど、それを一緒に作ったやつも元ミュージシャンなんです。ミュージシャンっていろんな機械使えるじゃないですか。それで彼は機械を使ってストーブの制御をやったんです。野地さんとかもすごい器用なんだと思う。
小谷 「のじもく酒場」も社員もいっぱいいる会社やから編集はどこか頼んでるんじゃないかと思ったら、結局野地くんが全部やってたんですよね。よくあれやる時間あったなとも思ったんですけど、どんどんやるたびにうまくなっていくっていうね。
関本 そうそう、もうプロ並みになっちゃって(笑)。
小谷 編集の方にも目が行ってしまうみたいなね(笑)。
伊礼 やっぱりね、売れなかったミュージシャンは恐るべしですよ(一同爆笑)。
関本 すごいなと思うのが、伸卓さんが自分で始めた会社だったらまだわかるんですけどね、確かお父様がやっておられて、まだ今(※対談収録時)も肩書きは専務みたいな感じですよね。だから会社の中ではまだ社長じゃないし、たぶん社内ではね、なんかその3代目みたいな感じで思われてると思うんです。でも小谷さんが言うように、そんなちいさな町工場じゃないし、結構社員もたくさんいるとしたら、しがらみが絶対あると思うんですよね。それこそ小谷さんが思ったように、なんだかふざけたホームページだとか言われたりしたかもしれないし。僕だと結構気遣いなんで、あんまりでしゃばらないでおこうとかね、いろいろ思うってしまうんですよ。そこをいい意味で空気を読まないで、パッと先陣切って、自分が創業者ですくらいの厚かましさで、ああいう新しいことをバンバンやってるっていうのが。あれはね、できそうでできないですよ。すごいなって思いますね。
小谷 いい意味でちょっとね、鈍感。鈍感力ですよね。
関本 そうそう、そう思います。神経が細くて、こういうことやると他の業界の方たちとの関係において申し訳ないとか、取り引き先のことを考えちゃうとできないですよね。この間の三重のシンポジウムでも、壇上であんなコスプレして仕切りをするなんて、普通は考えられないですよ(爆笑)。
伊礼 たぶんね、のじもく酒場で我々は悪ノリしたけど、彼も悪ノリして、それが良かったんじゃないかな。我々がやったことって、お互いにとって結構良かったかなと思うんだけどね。
小谷 なかなかね。この業界に一石を投じるプロジェクトだと思いますよ。再生数は全然伸びないけど(笑)。
関本 でも本当に、会う人ごとに、見てますって言われますね。
小谷 確かに、言われますね。
伊礼 やっぱり伸卓さんは変わってるから、あれが良かったんだと思いますよね。業界の常識で固まってないっていうか。僕も沖縄から来たので、建築界の王道から外れてるところが良かったと思うしね。住宅をする人ってみんな主流ではないんですよね。なんかそこがいいと思う。でもその人たちのほうが世の中をちょっと変えていけるような気がしますね。nojimokuさんもたぶん、材木屋というか製材所の主流ではないような気がします。
小谷 どんな業界でも、異業種から来た人が変革したり、イノベーションを起こしたりすることが多いですよね。
伊礼 小谷さんなんかもそうだしね。
小谷 そうですよ。僕なんか、未だにちょっと自分の業種がよくわかってない。最近はイラストレーターかなと思ってます。それはないか(笑)。
――これまでnojimokuと関わってきて、もっとこんなこともやってみたらいいんじゃないかとか思われることはありますか?
小谷 いやもう、あとはリアルで飲み屋をやるぐらいじゃないですか(笑)。どこでやるかですけどね。ちょっと熊野ではできないかもしれないけど、埼玉あたりでどうでしょう。
関本 あながちね、そうだなって思いますよ。nojimokuさんは会社としての実力はもうあるし、良材もあるし製材の機械もあるし、アイデアを実現するバイタリティや人脈もあるわけじゃないですか。そこはもうすでにすべて持っておられると思うんです。だから我々3人とやったのじもく酒場みたいに、野地さんには主流ではなくて、アウトサイダーとして業界をもっとかきまわしてほしいと思いますね。それこそいろんなタイプの建築家を集めて、シンポジウムを開くとか、セミナーを企画するとか。ただ木材の山を見て歩きましょうみたいなものを、もっと別の違う角度で企画するとか。
なんかそういうアウトサイダーの、元ミュージシャンの野地さんしかできない切り口で、これまでの木材業界の固定観念に囚われないいろんな取り組みをしてほしいですね。それって木材企業がやることなのとかって言われるような。小谷さんが言ったみたいにお店、例えばカフェとか食堂を始めるとかね。木材会社が食堂を作るって意味は分からないんだけど、そういうことをやることが、地産地消のサイクルを促すってことにつながるんだよみたいな。分からないけど、そういうことをどんどんやってほしいですね。あそこは結局何屋さんなの、みたいなね。
小谷 そうそう。でも、ほんまにちょっと、そういうリアルなお店を作っても面白いかもしれないですね。杉桧でできたお店で、建築家とか工務店とかがかわりばんこでお店番をするみたいな。みんなが集まってきて、そこでいろんなイベントしたりとか。
伊礼 野地さんいつも車で移動してるから、トラックに小屋を作ってトレーラーハウスでもいいよね(笑)。
小谷 いいですね。移動式のお店で、女将が営業ついでに酒場もしてくれるみたいな感じ。いやあ、またやりたいですね、のじもく酒場。
伊礼 そうですね。
関本 スポット的に、帰ってきたのじもく酒場をやりたいですね。
伊礼 今度はちょっと、いじったら危ないかもしれない人たちを呼ぶとかどうでしょう(笑)。間合いを読みながら話すっていうのもいいかもしれないですね。