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NO. 6 平山大輔|三重大学 教育学部 教授

プロフィール

平山大輔|三重大学 教育学部 教授
1975年 広島生まれ、大阪育ち。1998年大阪市立大学理学部生物学科卒業、2005年大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程修了、博士(理学)取得。2009年より三重大学教育学部准教授。2021年より教授。専門は植物生態学、森林生態学。カシ類(ブナ科)を中心とした樹木の生活史戦略の解明や森林生態系の動態の解明に従事するとともに、森林教育の推進に取り組む。著書に『生態学 個体から生態系へ(監訳:堀道雄、原著:Begon M, Harper J L, Townsend C R (2006) Ecology 4th ed. Blackwell Science, Oxford). 京都大学学術出版会. 京都. 2013. (共訳)』、『つし自然ガイドブック ~知ろう・歩こう・津市の自然~. 三重自然誌の会編. 津市. 2013. (共著)』、『三重の森林とわたしたちのくらし. 三重県農林水産部. 三重. 2014. (監修)』など。

ーーnojimokuとの出会いを教えて下さい。

私は森林生態学が専門なのですが、研究や子どもたちへのアウトリーチにも取り組んできました。そんな中、2019年頃に三重大学の教員や野地さんたちが進めておられた「熊野木育プロジェクト」に参加したことがきっかけで知り合いました。

ーー現在一緒に取り組まれていることなどはありますか?

いま私は、三重大学で実施しているプロジェクト「三重ジュニアドクター育成塾」の主担当をしています。これは、自由研究にチャレンジしている小中学生を対象に、三重大学が中心となってサポートをして、未来の科学者を育てるという取組みです(※)。

この塾は今年(2023年)で6年目となります。そこで今年からアントレプレナーシップの視点を交えた新しい講座として三重県の地域課題の解決に関する演習を加えたいと思い、nojimokuさんにご協力をお願いしました。これまでの製材業の枠組みを超えて、先進的な取組みをされている姿を拝見していたので、今回の講座を企画した時点で講師はぜひ野地さんにお願いしたいと思っていたんです。

そんな経緯があって、9月にnojimokuさんご協力のもと三重ジュニアドクター育成塾ではじめてのイノベーション講座「アントレプレナーシップセミナー」を開催しました。テーマは「林業・製材業と地域の活性化」です。20名ほどの受講生たちが、セーザイゲームに参加した後、林業の現状について野地さんに教わり議論をするという内容で、とても良い学びになったと思っています。

ーー仕事やプロジェクトで関わる中で、nojimokuのこだわりを感じたことはありますか?

一緒に実施した講座のなかで、子どもたちへの課題とその準備の仕方に「なるほど」と感じたことです。子どもたちに答えを提供するのではなく、子どもたちと問いを共有するという姿勢を感じました。これは私自身も普段大事にしたいことだと考えているので、強く共感を覚えました。

ーー「nojimokuといえば」を先生なりの視点で教えてください

私が野地さんと出会ったのは、熊野木育プロジェクトの中です。なので、製材業の野地さんというよりも森林教育にともに取り組む人という印象の方が私にとっては強いです。nojimokuは、熊野地域の内外で、これからの森林教育のキープレイヤーでありコーディネーターでもあると見ています。

ーー今後nojimokuと一緒に取り組んでみたいことはありますか?

森林科学の基礎研究でも林業・製材業でも森林教育でも、地域での知見を積み重ねて重厚にしていくことは、地域にとって将来必ず大きな意味をもつと考えています。そのようなことに一緒に取り組めたらいいなと思っています。

※国立研究開発法人 科学技術振興機構「次世代科学技術チャレンジプログラム」の採択を受けて実施。

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