CONCEPT

NO. 2 吉田薫|株式会社創建舎

プロフィール

吉田薫|株式会社創建舎 代表取締役

1971年生まれ。富山県南砺市出身、専業農家の家庭で生まれ育つ。ハウスメーカー、工務店設計を経て、現職。代表取締役の仕事に加え、設計や施工管理、人材育成など幅広く担当する。趣味はスキーや釣りなど自然の中で体を動かすこと。代表を務める株式会社創建舎は、東京と大田区に拠点を置く工務店。「省エネの家」「居心地の良い家」「長寿の家」を家造りのコンセプトに掲げ、国産材にこだわった自然を生かした設計と、丁寧なヒアリングにもとづく住む人に合わせた居心地の良い空間づくりを行う。

ーー最初にnojimokuさんと関わり始めたのはどういうきっかけだったんでしょうか。

吉田 JBN(全国工務店協会)っていうのがあるんですけど、多分そこで知り合ったんだと思います 。私はいまの会社の代表になってちょうど10年目くらいなんですが、多分代表になった時ぐらいからなので、10年ほどお付き合いしてるんじゃないかなと。第一印象は、気軽に話しかけて頂き、すごく話しやすい方だなっていうのは感じました。

ーーお知り合いになられて、実際に木材を使われるようになったのはいつ頃になるんですか?

吉田 知り合ったとき杉と桧をやっていることを聞いて、その時仕入れ先を探してたのもあったので、じゃあサンプルとか送ってくださいみたいな話をしたと思うんです。そしたら野地さんが事務所に来てくださって、nojimokuさんのお話を聞いた覚えがありますね。そこで話を聞いて、いいなと思ったんです。いいなっていうのはそれはモノもそうですけど、製品に込める思いが。真摯に木に向き合ってるというか。自分たちの仕事に責任を持っておられ、気持ちを込めて作ってるっていうのがすごく伝わってきたので、この人だったら信頼できるなって。たぶんそこから使い始めたんだと思います。普通の業者さんはここで終わるのですが(笑)、野地さんはその後も何度かお会いする機会をつくっていただき、時には奥様も交えてお話しする機会もありました。いわゆる営業っぽいところは一切感じることもなく、山のこと、木のこと、そして家づくりのことをいろいろ意見交換させて頂く中で野地さんの、使う人、さらに住む人のことを考えたモノづくりの姿勢に共感する部分が多く、nojimokuさんと一緒に家づくりをやっていきたい、そう感じました。

ーー製材所と直接やりとりするとき、通常とは違うやりにくさがあったりとかはされなかったですか?

吉田 やりにくさは全然なくて、むしろ安心してやりとりができるところが大きいんです。なぜかというと、家づくりではいろいろなモノを扱いますが、モノを売って終わりというところも多く、その後何かあったらもう知りませんっていう感じのところがあって。でも僕らってお客さんに提供したものに関しては、ずっと責任を持たなきゃいけないわけですよね。3年してじゃあ担当者が変わりましたとか、そんな昔のことは知りませんとか言われても、それじゃあお客さんに直接言えるのかってそんなこと言えないじゃないですか。そういう仕事は、僕は嫌だなと思ってて。お客さんにずっと安心して暮らしてもらうっていうのが、僕らの仕事の一つでもあるので。

そういう意味で、nojimokuさんは、自分たちの商品(モノ)に自信と責任を持っておられ、何か問題があっても、むしろ一緒に解決してくれる仲間になってくれるんじゃないかなっていう安心感があります。だから、全然問題なく、むしろ直接のやりとりの方がいいっていう感じですね。できれば、他も全部そうなってくれたらいいなと思ってますけど。

ーーこの10年ぐらいnojimokuとお付き合いされてきて、印象が変わってきたこととかあったりされますか?

吉田 野地さんの人柄はずっとそのままですけど、なんでしょうね。nojimokuさんが成長される中でいろんな活動もされてて、製材所からの発信がどんどん強くなっていったので、それはすごく良いことじゃないかなと思ってます。杉材ください、桧材くださいって言われて、はいどうぞって商品を出すところから、どんどん自分たちから、こういうのありますよこういうのどうですかっていう風に言ってもらえるような形になってきてるので。こちらとしてもいろんな提案はしやすくなるかなっていうところがあります。

あとは結構nojimokuさんからの発信が多いので、お客さんに直接ね、nojimokuさんってこういうとこなんですよっていうことは言いやすくなりましたよね。うちもお客さんにはちゃんとこういうところを使ってるんですっていうのは結構お伝えするので。どこの山でどういう人が作ってるかっていうのがわかるっていうのはすごく、私たちにとってもいいですし、たぶんお客さんにとってもすごく安心できるかなと思うんで。そういうところはどんどんnojimokuさんは進歩してるなというふうに思います。結局うちもそうなんですけど、差別化しにくくなっている中で、誰が作ってるかってすごく大切になってくると思っています。作る人とか製材する人の顔がどんどん見えたらいいなぁと思いますけどね。

ーー途中でものの良さっていう話ができたと思うんですけれども、このあたりもうちょっと具体的に教えていただけますか?

吉田 杉、桧っていろんな産地があって、いろんなのものが出てきてますけど、野地さんのところは、見た目が綺麗で、しかも品質がすごく安定してるかなっていうふうに思ってます。安定しているので、安心して使えるっていうのは、すごく大きいかな。たぶん管理がちゃんとしてるから、品質が安定してるんじゃないですかね。nojimokuさんも単にモノが売れればいいって思ってなく、自分たちで安心できるものをちゃんと届けたいっていう想いがあると思うので。

その先のエンドユーザーの方のこともちゃんと見てやってるんだろうなぁっていうのは感じるので、なんか仲間感がすごくあります。僕たちもお客さんをちゃんと見てやってて、野地さんたちもそうやって見てくれると、一緒にお客様をよくしようっていう思いがね、同じ方向に向くことができるので、すごくやりやすいです。

ーーこれまで野地木材さんと付き合う中で、印象的な出来事はありますか?

仕事ではないですが、熊野に行った時がやっぱり印象的でしたね。もちろん自然がすごく素敵なところで、星も綺麗。でもやっぱり、みんなが一生懸命作ってるのが見れたのはすごくよかったなぁと思います。スタッフの皆さんがちゃんと考えて作業をされているのを間近で見れたのは、大きいかなぁと。やっぱり見たものをやっぱりお客さんに伝えやすいですし。あと、僕たちも結構愛着がわきますよね。自分たちの板とか杉とかって思えるので。スタッフもみんなやっぱり、ただの杉の板、桧の床材っていう感じではなくて、nojimokuさんがこういうふうに作った杉とか、こういうふうに作った桧とかっていうふうに感じる。それは、すごく家作りしている中では大切だなって思います。

ーーnojimokuとこれからもっと一緒にできたらいいなと、考えていることはありますか?

吉田 そうですね、今一緒に商品開発はしてるんですけど、なんか野地さんと一緒に早くうちらも作ってみたい、お互い自慢できるものができたらいいなって思ってます。あとまだこれは難しいですけど、お客さんがね、nojimokuさんにいけるくらい余裕があればいいかなと思ったりもします。

そういえば、僕は、木の外壁の家を、東京にちょっとでも増やしたいなと思っているんです。7~8年前くらいに中古の家を買ってそこに住んでるんですけど、ボロくてちょっと雨漏りもしてたりとかしたので一回改修して。外は木にしてやろうと思って、nojimokuさんとこの外壁材使わせてもらいました。木の表情が変わっていくのがすごく僕は好きなので、なんかすごく愛着もありますよね。ちょっとここカビ生えてきたなぁとか、こうなんか陽があたっているから色落ちてきたなぁとか、そういうのがね。日々変わってきたのがわかるので、楽しいなぁと思います。今何件か、木の外壁を希望されている方いらっしゃるので、どんどん使っていきたいなと思っています。

ーー最後に、nojimokuらしさってなんだと思いますか?

少し変かもしれませんけど、僕は、なんだか製品に対してnojimokuさんの愛を感じます。頑張って作ったやつだっていうのが感じられるのは、nojimokuさんらしいんじゃないかなと思いますね。まあいろんなところで物を買ったりとかしますけど、そう感じるのはnojimokuさんのところが一番じゃないかなと思います。そんな感じかなあ。それがもっとね、お客さんにもうまく伝わるといいなと思います。

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