2023.10.16 Mon

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早稲田大学 高口研究室

第0回熊野こどもだいがっこうに参加してきました!その2:2日目漁業体験・3日目大工体験

#トピック, #遊木の改修プロジェクトwith早稲田大学

→その1の続き

[二日目:漁業体験・干物つくり体験]

集合

2日目は三重大学企画の漁業体験。

漁師さんに習って朝早くに起床して、眠い目を擦りながら前日に近畿大学の方々がにぎってくださったおにぎりを頬張ります。

おにぎりを食べたら、いざ漁へ出かけます! この日の朝はあいにくの土砂降り、これからどうなることやらと思いながらも、レインコートとライフジャケットを着て漁港へ出発!

↑大雨の中、漁に出られるか不安になりながらも安全講習を受ける子供たち。

定置網漁

・出船

漁港に着くとさっきまでの土砂降りはどこへやら、天気が良くなっていました!

晴れやかな気持ちで船に乗り、定置網漁へと向かいます。子供たちも魚を取ることをとても楽しみにしていたようで、船に乗る時も大はしゃぎ、生き物の事ともなると子供たちの好奇心には敵いません…

個人的にも最近釣りにハマっていて、魚には関心があるので、この日の体験をものすごく楽しみにしていました…

↑漁に出発!海の透明度が高く、船の下にも魚がちらほら、、

↑子供たちの流行り、タイタニック

・魚を獲る

体験させていただいた定置網漁は定置網漁の中でも最も小型のもので、4.5メートル程度の網の中に魚を集めます。

定置網に到着すると、まずは網を引き上げていきます。この時難しかったのが、網の隙間から魚が逃げるのを防ぐため、息を合わせて網を上げる必要があること。

網が上がると、そこには小さい魚から大きい魚まで、予想をはるかに上回る魚たちがいました! これには子供たちは大喜び。網を手に取って一心不乱に魚を掬い続けます。カマスやシオ(カンパチの子供)、カツオからマグロまで色々な魚がいて、なかでも驚きだったのはネズミフグ(あってるかはわかりません。多分そうだと思います…)で、体長が1メートルほどあったように思えました!危ない魚なので残念ながらリリースしましたが、持って帰ったらみんな大喜びだったに違いないと思います。

↑定置網の中身を眺める子供たち。そこには大漁の魚たち!!この日は中々の大量だったらしい、、

↑超大物のネズミフグ。噛む力が凄まじいらしく、噛まれると指がなくなるそう、、、

③干物作り・魚捌き体験

漁が終わり二木島に戻ると、そこからは干物作り体験と並行して、釣ってきた魚をひたすら捌きます。

子供たちは干物屋の方々に習いながら魚を捌いて、干物用の開きを作っていきます。干物を天日干しにしたら、釣ってきたシオやカツオも捌いていきます。

思っていた以上に大漁で、捌いても捌いても魚がなくならないんです。「大変だ大変だ」なんて子供たちと言いながら、少しずつ数を減らしていいきます。 子供たちの上達のスピードは凄まじくて、最後の方にはほとんど身を残さずに三枚おろしができるようになった子もいて、ここでも子供たちのひめる可能性に驚かされました、、、

↑大学生と一緒に干物屋さんに魚の捌き方を教わる。捌いているのがシオ。

↑カマスとアジの開きを天日干しに。半日で干物ができるのが衝撃でした。

↑隙間時間には、目の前の漁港にてみんなで仲良く釣り。

④魚を食す

やっとのことで魚を捌きおわると、そこからはいよいよ調理の時間。子供たちが楽しみにしていた刺身をまずは作っていきます。

やはり一番人気はマグロの刺身。みるみるうちになくなってしまって、僕は一切れも食べれず、、、笑

とれたての新鮮な魚なだけあって、歯ごたえありで美味しかったなあ。 そこに加えてお待ちかねの干物に加えて、鰹のたたきや、花かさごの煮付け、シオの塩焼きなどなど様々な料理が並びました。子供たちも大人たちも大満足で、美味しそうに食べていました。

↑マグロ・カツオ・シオの刺身盛り合わせ。この量が15分後にはなくなってました笑

↑干物を炭火で味わう。なんて贅沢なんだ、、、

二日目の体験はここで終わり!!

魚の調理をしただけあって、後片付けは地獄のように大変でしたが、三重大学の皆さんがテキパキとすましてくださって、無事に早めに寝ることができました!

この日の体験を企画してくださった三重大学さん、そして漁師さん、干物屋さんのみなさま、ありがとうございました!

↑熊野の海を眺めながら、同期と今後の熊野こどもだいがっこうについて語っていました。来年以降もより良い合宿を作って行けたらいいなぁ

[三日目:大工体験]

今日は近畿大学さん企画の大工体験。熊野こどもだいがっこうもいよいよ最終日になってしまいました。。。 いやぁ、これまで大変だったけど、子供たちと大学生たちの楽しそうな姿を見られて本当に充実した2日間だったし、終わってほしくないなぁ、なんて名残惜しくなってしまいます。

木のパズル作り

撤収作業の関係で、大工体験には遅れての参加になったのですが、二木島GATEさんの片付けをなんとか終わらせて、昼前に合流することができました。

大工体験の午前の部は木のパズルを作る体験で、この内容は事前に知っていたのですが、いざ会場で見てみるとその本格さに驚かされました。

子供たちはノコギリだけでなく、ノミや直角定規を使って、木のパズルを作っていきます。木材にあらかじめガイド線や加工がされているのかと思っていたら、何から何まで子供たちが一から自分で作っていくんです。 近畿大学の学生さんたちや、大工さんたちが子供たち一人一人につきっきりで丁寧に作り方を教えていて、なんて本格的で実りある体験なんだろうと感じました。

↑大学生が加工方法を教える。自作の説明書付きで説明していてわかりやすい。

しかも、言葉で説明するのが難しいんですが、このパズルは立体のパズルで、さまざまな形に加工された木の棒をうまく嵌め込むことで決まった形にするというもので、少しでも加工が悪いとうまく嵌まらない、などの不具合が出てきてしまう難易度の高いものでした。

しかし、大学生や大工さんたちに教わりながら微調整を繰り返し、子供たちはみんなちゃんととしたパズルを作ることができていました!

↑大工さんが最後の手直しを手伝っている様子。職人技でパズルの微調整をしています。

↑作ったパズルと記念撮影。僕にはこの形の物を作れる自信がないです、、、笑

昼食・昼休み

パズルを作り終わったら、お弁当の時間! 大学生たちと子供たちが一緒になってご飯を食べていました。体験を通してどんどん大学生と子供たちが仲良くなって、楽しそうに話しているのをみるとなんだか嬉しいもんですね!

↑休み時間の間には、会場である中学校を大学生と子供たちが探検していました!

なんだかほっこりするシーンです笑

家作り

さぁ、昼ごはんを食べ終わるとさらに大工体験が本格化していきます!

午後の内容はなんと、家を一棟建ててしまおう!というもので、この体験を楽しみにしていた子供たちも多かったので、みんなこの貴重な体験に目を輝かせていました!

大工さん達の説明をよく聞いて、いよいよ家を組み立てていきます。

この家、本当に本格的で、土台をしっかり作り込んでいて、さらにはベランダ付き二階建て、、、(心の中で、この家住みたいなぁなんて思っていました笑)

↑まずは土台から、本格的なのが伝わると思います、、、

↑柱を一本一本打ち込んでいきます。大人達で見守っていて、安全管理もバッチリ。

↑一階部分完成。

↑床板を貼って、2階の組み立て作業に入った、はずなのですが、おさぼりを発見!一階部分は子供達の秘密基地のようなスペースに笑

↑みんなで声をかけながら、楽しい雰囲気の中、二階部分も順調に作業が進む。

↑最後に屋根の骨組みを組み立てる。完成まであと少し!

↑完成!大工さんも一緒に記念撮影。全員の笑顔が素晴らしいです、、、

[閉会式]

三日目の体験も大成功で終了すると、最後に閉会式で熊野こどもだいがっこうを締めくくります。

感想の発表の場面では、「この三日間本当に楽しかった!」、「また来年も参加したい!」などの声を聞くことができ、本当にこれまで準備してきてよかったなぁと心から感じました。

校長先生である伸卓さんの卒業証書授与によって、三日間の熊野こどもだいがっこうは幕を閉じました。

↑閉会の言葉。伸卓さんは校長先生になるのが夢だったそうで、喜びが伝わってきました!

↑卒業証書授与の様子。小学校をまだ卒業していない子供達からすると、初めての経験で、みんな緊張しつつも本当に嬉しそうでした。

↑最後の集合写真。海外の卒業式を意識して帽子を投げてみました笑

初日と比べてみんなの顔が晴れやかで、和気藹々としてますね!!

[終わりに]

三日間の熊野こどもだいがっこうが終わってみて感じたのは、熊野への愛着と子供を含め様々な人々と関われたことへの感謝でした。

だいがっこうの次の日は、少しばかり釣りをしてから東京へとのんびり電車で帰ったのですが、やっぱり今回の熊野での体験は忘れられない。

まず、熊野の大人達のかっこよさ。きこりさんをはじめ、漁師さんや大工さんは子供から大学生まで、初めての経験をする我々に親身になっていろいろなことを教えてくださって、、本当に見習わなくてはならない大人達だなぁとしみじみと感じていました。

子供達の素直な好奇心にも心打たれました。どんなことでも「やってみたい」、「知りたい」という気持ちが伝わってきて、この三日間はどこか自分も何に対しても好奇心旺盛に取り組めていたように感じます。本当に子供の力ってすごいんだなと、子供達から勉強させてもらいました。。。

これは5月から熊野に関わってきて感じていることですが、その自然のありがたみにも心打たれます。どこから海を見てもそこには絶景が広がっていて、釣りをすれば新鮮な魚が釣れる。山に入れば、綺麗な森林や古道がある。こんなに素晴らしい場所があるでしょうか?

本当にここ熊野では様々な人や、こどもだいがっこうをはじめとしたプロジェクトに関われて、そこで新鮮な経験をさせてもらって、感謝しかないです。

今回の熊野こどもだいがっこうでお世話になった、運営の方々、きこりの皆さんをはじめ、みなさん企画・準備を含め本当にお疲れ様でした、そして本当にありがとうございました!!!

↑最終日の早朝に熊野の海を眺める。この地域に関わっていきたい、そう感じました。

(文責:大竹)

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