2023.10.03 Tue

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早稲田大学 高口研究室

第0回熊野こどもだいがっこうに参加してきました!その1:熊野こどもだいがっこうとは?・1日目林業体験

#トピック, #遊木の改修プロジェクトwith早稲田大学

お久しぶりです!早稲田大学高口研究室の大竹です!

2023年8月26日〜28日で熊野こどもだいがっこうに参加してきました!

[はじめに:熊野こどもだいがっこうとは?]

熊野こどもだいがっこうは、nojimokuさんや熊野商工会議所の方々が運営する、熊野の小学生たちを対象とした二泊三日の職業体験合宿です。

各日程を早稲田大学・三重大学・近畿大学の三大学がそれぞれ企画して、熊野の職業を紹介するという内容です。1日目は早稲田大学が林業体験を行い、2日目は三重大学が漁業体験と干物つくり体験、3日目は近畿大学が大工体験を行いました。

今年の熊野こどもだいがっこうは来年以降の企画本格化を見据えてデモ、第0回、という形で実施され、子供が6人参加してくれました!

この熊野こどもだいがっこうのキーワードとして、大学生と子供たちが「共に学ぶ」、「普段できない体験」があり、これを意識しながら各大学と熊野商工会議所及び株式会社nojimokuによる企画・運営がなされました。

[1日目:林業体験]

①集合開会式

そしていよいよ迎えた体験当日、これからの三日間、そして何より初日の自分達の体験を楽しんでもらえるか、緊張と期待に胸を膨らませながら朝9時に二木島にある旧荒坂中学校に集合しました。

↑旧荒坂中学校から、二木島港を眺める。

 自然を感じられる立地で、心地よい雰囲気の中で体験ができるのは本当にいい経験だと感じました。

熊野こどもだいがっこうの開校が宣言され、子供たちとの挨拶が終わると、いよいよ僕たちの出番、我々早稲田大学が担当した林業体験です!!

↑開会式の様子。熊野こどもだいがっこうの校長である伸卓さんの開会の挨拶でこどもだいがっこうが始まりました!!

座学:林業とは何か・きこりさんの一日

林業体験は、実際に株式会社眞栄さんの協力のもと、林業従事者の方々と一緒に執り行われました。

熊野こどもだいがっこうの実施が決まってから実施までの2ヶ月間、林業従事者(以後きこりさん)の方々にはお忙しい中で時間をいただき、打ち合わせを繰り返してきました。 子供たちに楽しんでもらうため、そして多くを学んでもらうためにはどのような内容にすればいいか、また、安全・スムーズな進行ができるような段取りの決定まで色々と話し合っていました。

まず初めは座学の時間。林業とは何か、そしてきこりさんの1日などの紹介を通して魅力を伝える授業内容でした。きこりさんが授業を担当してくださって、子供たちは真剣に授業に聞き入っていました。

授業内容は事前に打ち合わせをしていたのですが、それでも知らなかったようなこともお話ししてくださって、新鮮味あふれるとても興味深い授業でした。

↑授業風景。子供たちと一緒に大学生たちも真剣に学ぶ。

↑山に出発する前に集合写真をパシャリ。緊張と期待が混じった顔は最終日にはどうなっているのか!?

山の中へ・昼食

さて、林業とは何か、魅力は何かを考えてもらった上で、いよいよ山に移動していきます。

山に到着すると、まずはこれから行う間伐体験の流れや注意点についてきこりさんがボードを使って解説してくださり、子供たちもこれからの内容に期待しているようでした。

↑↑山の入り口できこりさんが間伐体験で切っていい木と切らない木の選別の方法に関して解説してくださりました!

解説の時間が終わったら、次は川沿いでお昼ご飯の時間。

自然に囲まれながら弁当を食べることができるなんて、普段では絶対にできない体験なので、本当に貴重な経験でした!

↑川沿いで食事。子供たちと生き物観察をしながら、涼しくお弁当を食べました!

ちなみに子供達に人気だったのは、ハンバーグ弁当でした。

間伐体験

・準備を済ませ、山の中へ

さて、昼ご飯を食べ終わったらいよいよ今日の大本命、間伐体験の時間です。

↑ヘルメット戦隊4人組。子供たちの遊び心って素敵だなと思いました、、、

↑急斜面を登る。前日降った雨で斜面が滑りやすくなっていたこともあって、子供だけでなく、大人たちも山の斜面を進むのに苦戦している様子でした。

・間伐する木を選ぶ(選伐)

現場に到着すると、間伐する木を選ぶ工程に入ります。

子供達はきこりさんに木の選び方のコツを教えてもらいながら、大学生と相談して自分が切る木を選んでいました。

↑自分が切る木に印をつける。この時に太い木を選ぶとこの後が大変になる。

・間伐(実際に木を切る)

木の切り方のコツや安全確保についてのレクチャーを聞いたら、いよいよ自分が選んだ木を切っていきます!

安全面を考慮して切る道具がノコギリであるがゆえに、切るのは大人ですら大変で、実際子供たちにはかなりの重労働だったようですが、子供たちは手伝おうか?と言っても「自分でやる!」と言って頑張っていて、その諦めない心に胸打たれていました。。。(いやぁ、やはり子供たちには僕たちが失いつつあるキラキラしたものがあって、自分も大いに見習わなきゃいけないな、、、なんて心の中で感じていました。)

後から写真を見返して見ていると、子供たちが本当に楽しそうに、そして一生懸命に木を切っていて、この顔をしてもらえるだけでも企画のしがいがあったな、なんて熊野から東京に帰ってきて2週間がたって今更感じています。

↑きこりさんに教わりながら、木を切る。周りの大学生も楽しそう!

↑木を切った後の達成感は体験して見ないとわからない!受け口がお土産になっていました。

↑切った木を担いでみる。かなり重いはずなのに、最高の笑顔。

・本物の間伐を見る

間伐体験が終わったら、最後にきこりさんに本物の間伐を見せてもらいました!

子供たちが切っていた木は直径15センチ程度で、樹齢30年ほどのものでしたが、きこりさんが切るのは直径50センチ程、樹齢60年ほどの大物です。みんながきこりさんを見ている中、チェーンソーを使って大物を切っていきます!

チェーンソーを使っているから簡単に切れるだろうとたかを括っていた僕でしたが、実際は一筋縄ではいかないんです、、、慎重に慎重に倒したい方向に向けて何本も楔を打ち込んでいきます。10分ほど微調整を繰り返し、やっとのことで木が切れました。

↑生でみるプロの仕事。木が倒れた時には歓声が上がっていました!

きこりさんが切った木をスライスして持ってくると、子供たちは我先にと観察します。

ここでびっくりしたのは、子供たちが何も言われずに年輪を数え始めたこと。 みんなで囲んで年輪を数えて、倒れた木と自分達の切った木の年齢を比べていて、自然の中での実体験から学ぶことの質の高さを身をもって感じました。

↑みんなで囲んで年輪を数える。

座学:林業の将来について考える・感想発表会

・授業開始

これにて、山の中での体験は終了!河原で写真を撮って、次の現場に向かいます。

株式会社眞栄さんに会場をお貸しいただき、木の内装の中で「林業の将来について」考える座学の時間を取りました!

この授業のテーマは、「森を管理する人手の不足」や、「木が高く売れない」という問題を学んだ後、子供たちに今後の林業について考えてもらうというもので、大人でも難しい内容の授業となりました。 この時間は僕が授業をしたのですが、授業の内容がこれからの林業についての話ということで、野地さんやきこりさん、そして教授たちの前で説明する内容が間違っていないかそして子供たちに楽しく学んでもらえるのか、そんな考えで緊張していました、、、

しかし、子供達は今日の体験を楽しんでくれたようで、明るい雰囲気の中、少し安心しながら授業を始めました。

↑授業の様子。全員で楽しく話し合う雰囲気の中で授業が始まりました!木質空間の中で気持ちよく学習できました、会場を貸してくださった株式会社眞栄さんありがとうございます!

・原木の値段を算出してみる

まずは、きこりさんが用意してくださった丸太(授業内では椅子としても利用していました)の値段を計算してみて、木は高いのか、安いのか考えてもらいました。大学生とペアになって木の直径・高さを測り、体積を見積もったら、単位体積あたりの木の値段を掛け合わせることで値段を算出します。

ここで子供たちが驚いていたのは木の値段。高さ70cm直径40cmほどの丸太でも1000円程度の値段となり、実際に計算した値段と予想していた値段のギャップに衝撃を受けている子供たちが多かったと感じます。

↑自分達が座っていた丸太の直径を測る。最初は少なかった大学生とのコミュニケーションも増えてきて、楽しそう!

↑木の値段を計算する様子。掛け算を大学生と一緒に解く様子も微笑ましかった、、、

・林業の将来を考え、発表する

木の値段を計算したら、次は林業の将来について考える時間に入ります。

僕はこの間伐授業体験の打ち合わせをきこりさんたちと進めていく際に、きこりさんの仕事、そしてその仕事の意義に対する考え方が大きく変わりました。この企画をする前には、きこりさんは木を切って売っていて、産業面で社会を支えている職業だと捉えていました。

しかし実際には、産業を支えているだけではなく、きこりさんが森林のメンテナンスをすることで、地域の防災性や生活の豊かさに貢献していることや、先祖から続いている森林を管理して将来に繋いでいることを知りました。だからこそ、きこりさんが地域の将来にとっていかに重要なものなのかをこの授業で伝えたい、そして考えてもらいたいと思いながら、授業の準備をしてきました。

その思いを抱えながら授業をしていると、子供たちも林業の将来について考えてくれて、授業の最後に「林業について、今日の体験を通してどう思う?」という投げかけに対して、子供たちは、「人手が足りないなら、機械化を進める!」、「きこりさんが地域を支えてくれていると感じた!」、「木を切ってて楽しかった!」など、いろいろな考えや感想を伝えてくれて、“林業の将来を考える”という授業の目的を果たせたように感じました。 これにて、今日の体験は終わり!全員できこりさんたちに感謝を伝えて、本日の宿“二木島GATE”へと移動します!

↑最後に早稲田ときこりさんたちで記念撮影をしました!何から何まで親切にしていただいて本当にありがとうございました!!!大人として見習いたい、、、

宿の紹介・山の幸BBQ

二木島GATEは熊野市の二木島港のすぐそばにある古民家を改修した民泊で、宿から少し歩けば漁港の景色が楽しめます。バーベキュー会場もあって、海を見ながらワイワイできるロケーションになっています。

↑二木島GATE。天気は三日間を通してほぼ晴れで、予定通り進行できました。

↑二木島漁港。道路向かいにBBQ会場がある。

宿で二日目の準備が済んだら、夜ご飯はジビエと山魚のBBQ! きこりさんたちのご厚意で食材を用意してくださりました!食べる機会がほとんどないイノシシと鹿の肉を食べることができて、子供だけでなく、大学生も大喜びでした!

↑BBQにて。お腹が空いていたようで、山盛りご飯を平らげていました笑

BBQが終わって宿に戻り、風呂に入ったら今日のところはここで就寝。林業体験が無事成功した安心感で今日はよく寝れます笑

就寝とはいうものの、実際には子供たちが持ち寄ったお菓子でパーティーをしていました笑お菓子パーティーはそこそこに、今日のところは明日の早朝にある漁業体験に備えて寝ます、、、

→「その2:2日目漁業体験・3日目大工体験」に続く。。。

(文責:大竹)

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