2023.07.05 Wed

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早稲田大学 高口研究室

IHOKI BASE ウッドデッキ計画 ~施工編~

#お知らせ, #トピック, #遊木の改修プロジェクトwith早稲田大学

こんにちは。早稲田大学高口研究室の銅木です。

IHOKI BASE ウッドデッキ計画、遂に施工編(完成)です!!


施工期間は3日間。

今回は学生主体での施工ということもあり、少々不安もありましたが、nojimokuの皆さんにも施工のお手伝いをいただき、なんとか完成させることができました。

1日目。
前回の「IHOKI BASEウッドデッキ計画~塗装編~」のブログでお見せした塗装した材の運搬から始まり、まずは仮レイアウト。段差があり少々不整形なテラスであることから、材のレイアウト確認にも一苦労。持参したレーザーを駆使しながら鋼製束の高さを調節していきました。水平出しにはかなりの時間がかかると想定していましたが、思いのほか順調にいき、日没前には根太の配置が完了しました。


2日目。
水平出しが順調にいけば後は揺れ止めの束と根がらみを配置すれば床板を張るだけ。。。とはいくわけもなく、束を固定してから根がらみを配置するまで一進一退の微調整。木材が少し反っていることもあり現場合わせでの寸法調整を強いられました。
木材が反ることなんて当たり前なのになぜそれを見越して設計をできなかったのか、痛感しました。
少し作業を進めては、こうするべきだったのか、と勉強になる発見の連続でした。


3日目。
2日目の微調整の末いよいよ床板の設置。この日は地元の子供たちも手伝いに来てくれました。細心の注意を払いながらも一緒にビス止め。少しズレが出てしまうところはどうしてもありましたが、天板が少しずつ張られていく光景は爽快そのものです。


そして遂に完成!


設計段階からイメージしていた、室内から入り江に伸びていく景色も再現できました。今後はカウンターテーブルやタープ等が設置できるように追加の設計も考えています。


塗装剤を塗分けたことで色ムラを心配していましたが、ずらっと横に並ぶと意外といいもので、印象もがらっと変わります。

前回のブログでも少し紹介させてもらいましたが、今回は塗装剤を塗り分けてデッキの防腐性能/経年変化を観察し、デッキの防腐性能に関するノウハウを蓄えていくことも目的にしています。

使用した塗装剤は5種類。クリア塗料を3種類、着色塗料を2種類用意しました。


【クリア塗料】

自然系①: ウッドロングエコ
粉末を溶かして水溶液にして塗布するタイプの塗料です。写真にもちらっと見えていますが、塗装すると木目のコントラストがはっきりし、独特の風合いを生み出します。

自然系②: オスモカラー #420 クリアープラス
植物油をベースにした塗料で、外装用としてはなかなか種類の少ないクリア系。木材本来の風合いがどこまで残ってくれるのか気になるところです。

非自然系: MOKUTO天然木材用ガラス塗料
ガラス分が空気中の水分と反応してガラス層を作るタイプの塗料です。ガラス塗料というのは今回初めて知りましたが、施工性に優れ、乾燥後は綺麗な艶に仕上がります。


【着色塗料】

自然系:  オスモカラー #700 パイン
着色系は一般的にヒノキとの相性があまり良くないと言われるせいか、初心者塗装では少々ムラが出てしまいました。クリアと比較して着色系の方が防腐性能が上がるのかどうか、実際どうなるのか気になるところです。

非自然系: キシラデコール #115 スプルース
構造に関わる下地材は全てキシラデコールを使用しました。成分が沈殿しやすいので塗ってはかき混ぜて、を何度も繰り返しました。(笑)色合いや仕上がりはオスモカラーと見分けが付かないほど似ており、両者の変化も観察したいです。


乾燥や塗り回数は仕様に従いながらも、塗装時にあいにくの雨に見舞われたりしたこともあり、乾燥炉に入れて乾燥を行ったものもあります。多少バラつき等はあるかと思いますが、それが木材の良さであり、活かしていくべき点であると捉え、1年後、5年後、10年後と木材という材料がどのように変化していくか楽しみにしたいと思います。



建築を学んでいる身として、提案した設計がこうして実際に形になるのはとても嬉しいものです。拙い知識を絞りながらでしたが、とてもいい経験になりました。ご協力いただいた皆さんに感謝です。



さて、ウッドデッキの施工は終わりましたが本番はここから。

まずはIHOKI BASEの活動拠点として、ここでいろんな出来事やイベントが起こるよう計画していきます。
例えば熊野のおいしい魚を調理して地域の人にふるまう場になったり、テントを張って星空を観察したり、ペットを連れて一緒にくつろいだり。。。色々な光景が浮かびます。



最後になりますが、改めてご協力いただいたnojimokuの皆さん、研究室の先生・同期、それから地域の子供たち、ありがとうございました。

それではまた!



(文責:早稲田大学 高口研究室 修士1年 銅木 彩人)

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