2026.06.20 Sat

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野地伸卓

ハイテクの裏側

#お知らせ, #トピック, #社長ブログ

6月16日、東京。

僕がふだん nojimoku の会計と人事労務でお世話になっている freee さんのイベント、「freee統合ワールド2026」に行ってきた。
各業界のトップランナー、現場を知り尽くしたユーザー、士業の先生方。
トークセッションで飛び交うのは、AI活用の生々しい実例ばかりだった。

このイベントで何度も出てきた言葉。

Done for you

日本語訳にすると、”やっといてくれる”だ。

ホワイトカラーの作業はAIがやる。人間は確認と承認だけ。

これを聞いた瞬間、僕はゾクゾクした。
この世界観を理解して、自社のAI環境をいち早く整える組織と、そうでない組織。
両者の間には、これから恐ろしいほどの格差が生まれる。いまはまさに、その分岐点だ。
チャンスが来ている。そう感じた。

ど田舎の製材所が、会場の巨大モニターに映った

その会場で、僕は変に緊張してしまった。

数日前にfreee さんからユーザー事例として取材を受けていて、そのインタビュー動画が、その日、ステージのスクリーンで流れることになっていたからだ。

自分を客席から見るのがなんか恥ずかしかった。。。

考えてみてほしい。

FAX最強、電話大好き、規格はミリメートルと尺寸ごちゃまぜ。
注文書に「4Mの7寸角」と書いてくる世界。もはや産業遺産的と言ってもいい
三重県熊野市のど田舎の製材所が、最先端のAI活用を語るイベントのスクリーンに、ドンと映る。

なんでnojimokuが映ってるんだ!?と思った。

でも同時に、嬉しかった。
トップランナーばかりが並ぶこの場に、僕らみたいな田舎の製材所を拾い上げてくれる freee って、だいぶ変わった会社だな、と思った。でも「変わってる感じ」が、僕には心地良かった。

「裏側で、脳みそに汗をかいて働く人がいた」

イベントの合間、freee の社員さんや役員の方々と、たくさん話をさせてもらった。

そこで、僕はいろんな見えていなかったことが見えてきた。

AIとかITとか、僕はどこかで、スーパーコンピューターが勝手に賢くなって、勝手にサービスを生み出している、みたいなイメージを持っていた。
話を聞いているうちに、僕らのような1ユーザーの声に、丁寧に耳を傾けて、それをプロダクトに落とし込もうと、考えて、議論して、企画を作って、コードを書き直している人たちがいた。

ハイテクの裏側にも、脳みそに汗をかいて働く人がいるのだ。
つまり、人が作っているのだ。

それは、原木を前に「この丸太、どうやって鋸入れたら一番きれいに木目が出るかな」と頭をひねっている、うちの職人たちと、まったく同じ姿だった。道具がパソコンか、製材機かの違いだけで、モノづくりにかける情熱の質量は、僕たちと同じだと感じた。

そういう意味では、同じモノづくりの仲間だと思った。

nojimokuは、次のフェーズに進む

nojimoku の仕事のコンセプトとして僕が考えてきたことは、「管理はハイテク、モノづくりはローテク」だ。

20年以上前、ノジステムというシステムを、僕が独学のAccessで組み上げたときから、ずっとそうだった。
事務作業、見積、受注、在庫管理、できるだけ数値化(デジタル)し、同じものさしで議論したり考えたりできる環境を作ってきた。

データを見れば過去の先人達がどんな判断をしたのか、どのように仕事してきたのかがわかるシステム。
こういうことを進めてきた結果、「AIに置き換えられる仕事」は、どんどんAIに任せられる世界になりつつある。

ただ、ここを誤解されたくないのだが、
僕らは「効率化のために効率化する」会社ではない。

丸太の一本一本、節の出方を読み、木のクセや個体差をみながら乾燥や加工を施す。
建築の1案件ごとに、施主の希望、設計者のこだわり、同じ家はひとつとしてない。
これに向き合うのは、どこまでいっても人間の仕事だ。丸太を見て、どう挽けばこの設計事務所さんの意図に応えられるか、頭をひねる。電話口で工務店さんの「あぁ、ちょっと木目がさぁ」という言葉の裏にある本音を、聞き取る。

これは、AIではまだできない。

だから僕らは、管理をハイテクで圧縮する。
圧縮して空いた人間の時間を、まるごと、モノづくりとお客さんへの向き合いに注ぎ込む。

機械的になるためにAIを入れるんじゃない。
人間らしさを濃くするために、AIを入れる。

これが、僕らの答えだ。

興奮が止まらない一日だった

会場を出て、東京の夜風にあたりながら、僕はまだ興奮していた。

「管理はハイテク、モノづくりはローテク」── このコンセプトで歩いてきた20年。
方向は間違っていなかったと思った。

むしろ、これからの時代の追い風が、いま、僕らの背中をぐっと押している。

ハイテクの裏側にも、ローテクの現場にも、汗をかく人がいる。

僕らはそういう人たちと組んで、次のフェーズに進む。

freee のみなさん、nojimokuを取り上げてくれて、本当にありがとうございました。

いや、おもしろくなってきた。

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