2026.04.19 Sun

writer

野地伸卓

おもしろきこともなき世をおもしろく

#トピック, #社長ブログ

昨日、2025年度のnojimoku全社員ミーティングが無事に終わった。

毎年この時期、年度末の1ヶ月というのは、自分にとって地獄のプレゼン作成月間になる。社員一人ひとりの顔を思い浮かべながら、1年の総括と来年の方針を、どう伝えたら響くのかを考え続ける。熟睡できない日々が続くわけだが、とりあえずちゃんと話し終えることができてホッとしている。

今年社員たちに伝えたことを、nojimokuに関わってくださるすべての人にも知ってほしくて、この記事を書いている。

嬉しさと不安が、同居している

2025年度は、正直に言うと、少し不思議な1年だった。

ずっと取り組んできたことが、ようやく芽を出し、花になり始める手応えがあった。社員たちの大奮闘が功を奏して、改善は過去最大級に進んだ。あの人がこんな動きをするようになった、あのチームがこんな成果を出した——社内のあちこちで、小さな「おお」が積み重なっていく1年だった。

一年前には、正直、こんな景色が見えるとは思っていなかった。

※社員たちの改善活動内容のプレゼンより

ただ、それ以上に、環境変化がエグかった。製造原価はどんどん上がっていく。建築市場は縮小していく。世界は戦争や政変で揺れていて、為替も原料価格も落ち着かない。社員の頑張りが数字になる前に、数字そのものが外から削られていく。そういう1年だった。

嬉しさと不安が、同じ胸の中に同居している。

花が咲きかけているのは確かだ。でも、花を見ている暇もなく次の嵐が来ている。——そんな感覚が、今の正直なところだ。

生き残るか、消え去るか

2026年度はどうか。

楽観できる材料が、正直あまりない。引き続き厳しい環境が続くどころか、明日がどうなるのか全く見えない闇に包まれているような状況である。

ただ、それはnojimokuだけじゃなくて、同業者も、建築関連業者も、みんな同じだ。だから言い訳にしようと思えばいくらでもできるし、萎縮しようと思えばいくらでも萎縮できる。

でも、このまま厳しい環境が続けば、最後にはたぶん二択になる。生き残る会社と、消え去っていく会社の二択。

じゃあ、どっちを選ぶか。答えはひとつしかない。

「おもしろい」という感情が最強だと思っている

そんな環境下で、nojimokuの2026年度のテーマを、「仕事をおもしろくする」にした。

高杉晋作の有名な句、「おもしろきこともなき世を おもしろくすみなすものは心なりけり」を拝借させてもらった。つまらない日々をおもしろくするのは、自分次第だ、という意味だ。

なぜ、よりによって今、これを選んだのか。

僕は、「おもしろい」という感情が最強だと思っている。

どんなに過酷で、しんどい状況でも、見方を変えれば、必ずどこかに「クスッ」となる部分がある。そして、クスッとなった瞬間に、しんどさはスッと消えて、ポジティブな気持ちに切り替わる。

この「おもしろがる」という行為で大事なのは、客観視だと思っている。

人間は、ネガティブな状態に入ると、どんどん嫌なことを深掘りしてしまう生き物だ。視野は狭くなり、同じ場所をぐるぐる回る。嫌なことを、嫌なまま、何度も何度も撫でてしまう。

でも、「この状況、なんかおもしろくできないかな」と考えるだけで、一段上から状況を眺めることができる。俯瞰の目線が手に入る。そしてクスッとなった瞬間に、「なんか全部なんとかなりそうだな」と思える。

不思議な話だが、これは本当にそうだと思う。

だから僕は、そういう心持ちで仕事をすることが、結果として楽しい仕事、おもしろい仕事につながると信じている。もっと言えば、これは仕事の話だけじゃなくて、豊かな人生を送るコツなのかもしれないとも思っている。

環境が厳しいのは、もう変えようがない事実だ。 だったら、それをおもしろがれる自分でありたい。

4つの「おもしろ変換」

そんなわけで、2026年度は4つの大きな戦略を走らせる。社内ではまとめて「おもしろ変換プロジェクト」と呼んでいる。

エス活! ——nojimoku流の5S活動。毎日30分の清掃を通じて、会社と自分を磨き上げる。今年のテーマは「どうすればエス活!がおもしろくなるのか?」。清掃をおもしろがるところから、すでに勝負は始まっている。

AMASUNA ——捨てられる木材を撲滅するプロジェクト。歩留まり改善、端材活用、ロス削減で利益を生み出す。お客様や社会も巻き込んで、大切な資源を余すことなく使い切る世界を作りたい。

nojimokuラボ ——みんなで学び、試し、育て合う場。職人はどうすれば育つのか。そのノウハウを会社として本気で研究し、蓄積し、アップデートしていく。

カラクリ革命 ——AIも設備改造も、仕事が楽に正確に進むなら何でも取り入れる。失敗なんて気にせず、どんどんトライして、これまでにないカラクリを作り、仕事に革命を起こす。

いろいろとふざけていると思う方もおられるかもしれないが、僕はいたってまじめに経営をやっているつもりだ。
なぜなら、真面目に本気でふざけているからだ。
遊び心は絶対に手放さない。
それができないのならば、僕が社長をやる意味がないと思っている。

お客様と、未来の仲間へ

最後に、いつもnojimokuを支えてくださるお客様・取引先の皆さまへ。

厳しい環境は、きっと皆さまも同じだと思う。だからこそ、この「おもしろくする」は、nojimokuの社内だけで閉じる話にはしたくない。製材所として、木材の相談相手として、皆さまの「おもしろい」を一緒に作っていきたい。巻き込みますので、2026年度もどうぞよろしくお願いします。

そして、もしこの記事を読みながら、「なんかこの会社、ちょっとおもしろそうだな」と感じてくれた人がいたら。

nojimokuは、そんな空気を一緒に楽しめる仲間を、いつでも探している。製材や木材加工の経験は問わない。厳しい状況でもクスッとできる心さえあれば、きっと相性がいいと思う。


さて、この記事を書き終えたら、また新しい1年が始まる。きっと来年の今頃も、熟睡できない1ヶ月を過ごしているんだろう。でも、そんな自分の姿すらちょっとおもしろがりながら、社員たちと共に、この闇の先の景色を見に行きたいと思う。

おもしろきこともなき世を、nojimoku流におもしろく。

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