nojimokuで働く人の中には、県外から熊野へ移住してきた人もいます。
今回お話を伺った前川絵厘さんも、その一人。
三重県北部の菰野町で育ち、前職では歯科衛生士として働いていました。
30歳の節目に選んだのは、まったく違う業界への転職と、熊野という新しい土地での暮らし。
「不安7割、期待3割でした。」
そう振り返る前川さんですが、実際に働き始めてみると、そこには温かい職場と新しい挑戦が待っていました。異業種への転職、熊野での暮らし、そして今目指していること。
その思いを伺いました。

「不安7割、期待3割」30歳の節目で飛び込んだ新しい土地・熊野
──前職は歯科衛生士をされていたとのことですが、転職のきっかけは何だったのでしょうか?
私の経験上、歯科衛生士のお仕事は「患者さんありき」でした。そのため、帰りが遅くなってしまう日も多く、生活が不規則だったんです。
そのうち「なかなか自分の時間が取れない」と感じるようになり、転職を考え始めました。
──そこからどうやってnojimokuに出会ったのでしょうか?
たまたま開催されていたオンライン転職セミナーに、nojimokuが参加していたんです。
ちょうど社名が今のローマ字表記に変更されたタイミングだったらしく、セミナー参加企業の一覧を見た時にとても目立っていました。
「この会社は何なんだろう?」と気になってホームページを調べたのが、最初のきっかけです。
──社長の戦略勝ちですね。笑 ただ、同じ三重県でもご出身は北部の菰野町と伺いました。なぜ、熊野という新しい土地へ行くことに決めたのか、入社までの経緯を聞かせてください。
私がちょうど転職を決めたのは30歳で、自分の中でも「節目」という考えがありました。
歯科衛生士を続けるつもりはあまりなく、チャレンジするなら同じ事務職でも一味違うところに行きたいと思っていました。
熊野も名前こそ知っていましたが、正直知らない土地ですから不安はありました。
当時の気持ちを振り返ってみると、不安7割、期待3割といったところですね。
──ご家族やご友人から、驚かれたりはしませんでしたか?
母からは「え?熊野?」と驚かれましたね。友人も「熊野ってどこ?」といった様子でした。
特に母は、昔の熊野がどんな様子だったかを知っているので、私が急に「熊野へ行く」と聞いてとても驚いていました。
──周りからそのような反応を受けると、気持ちが揺れ動くこともあると思います。実際にどう受け止めたり、気持ちを変えていったのでしょうか?
実際に周りからは「本当に行くの?」と言われていたので、もちろん迷いや不安はありました。
そこで入社前に、工場や事務所の様子を見学できる「nojimokuツアー」へ参加したり、お仕事体験ができる「インターンシップ」に数日参加したりしました。
こうした経験のおかげで、実際の仕事のイメージを持つことができ、少しずつ不安が払しょくされていきました。
あとは周りの方が「わからなかったら、わかるまで聞いてね」というスタンスだったので、サポートが手厚いと感じた点も大きいです。
私自身、事務仕事は初めてでしたが、ここだったらやっていけそうだと感じました。
また、インターンシップやホームページを通して、自社製品の開発などさまざまな取り組みをしていることを知りました。
自分もその一員として関われるかもしれないという期待も生まれました。
そうした経験のおかげで、不安な気持ちを振り切って熊野へ来ることができたと感じています。

まるでリスニングテスト? 温かい職場環境で乗り越えた「専門用語の壁」と目指す背中
──入社以来、顧客対応を担当されているそうですが、実際に異業種から飛び込んでみていかがですか?
電話対応一つとっても、業界の専門用語ばかりが飛び交うので、最初はメモを取るのに必死でした。
お客様との話でわからない部分もまだありますが、2年目に入ったあたりからようやく慣れてきたかなという感じです。
──この業界ならではの「難しさ」だと思います。大変な時期を、どのように乗り越えられたのでしょうか?
最初のころは「1人で何でもやらなきゃ」と勝手に思い込んでしまい、ミスをして迷惑をかけることもありました。
なかなかうまくできず、悔しい思いもしました。
でも、先ほどもお話したように周りの方々が「わからなかったら、わかるまで聞いて」と声をかけてくださいました。
そのおかげで、乗り越えられたと感じています。
現場の方々は、不足している点や直すべき点については、きちんと叱ってくれます。
でも、理不尽に怒鳴られたりということはありません。
──「叱る」という言葉を使っているところからも、前川さんの職場への信頼を感じますね。そのうえで、現在のお仕事に対する満足度を教えてください。
まだまだ、自分の対応で足りないところもあるので、10点満点中5点です。
私の中で一人前のイメージとしてあるのは、(社長の奥様である)麻貴さんです。
製品のことも現場のこともよく理解していて、お客様からどんな質問が来ても柔軟に対応できる姿が素晴らしいなと。
私も「そこまで行きたい」という気持ちがあります。
──職場に目標となる方がいるのは素晴らしいですね!ただ、社長の奥様と仕事をすることに対して、気を遣ったりしませんか?
正直、最初はかなり緊張しました。
でも、共通の趣味である雑貨やカフェ巡りの話をしているうちに、話しやすくなりました。

生活満足度は8点! カメラ片手に休日を満喫する移住生活
──熊野での生活に対する満足度はいかがですか?
熊野での生活は、10点満点で言えば8点くらいかなと思います。
他の地域と比べると劣るところもありますが、最近若い方がカフェを開業するなどして、お店も増えてきているんです。スーパーもありますし、生活に不便は感じないですね。
ただ、熊野に住むなら車は必須だと思います。
私はまだ電車で移動したことがないのですが、電車だけでは不便だという話も聞いたことがあります。
──生活満足度を下げたマイナス要素は、どのあたりにあるのでしょうか?
生活に不便はないと言っておきながらですが、どこかへ出かけるのに時間がかかってしまうところですね。
実家のある三重県北部まで行くのにも、高速で2時間半ほどかかります。
私自身、車の長距離運転は苦になりませんが、人によってはストレスに感じるかもしれません。
あとは、同じ三重県内でも地域によって方言が全然違ったりするので、外から来る人は言葉の壁を感じるかもしれません。
──移動は苦じゃないという話がありましたが、休日はどこへ出かけるのでしょうか?カメラも好きだと伺いました。
カメラで撮影するのが好きなので、伊勢の方まで行くことも多いです。
行き先では、風景写真を撮ったり、伊勢の街中を散歩しながら撮影を楽しんだりしています。
最近の伊勢はおしゃれな店も増えていて、多気インター近くにできた大型商業施設のVISON(ヴィソン)もおもしろいですよ。
私も、休日はなるべく家に閉じこもらず、出かけるようにしています。
それが高評価につながっているのかもしれません。

──前川さんの中で、最近のおすすめがあれば教えてください。
JR熊野市駅前にある、Chikottoというシフォンケーキのお店です。
美味しいので、たまに購入して楽しんでいます。
ランチも始めたそうなので、一度行ってみたいなと考えています。
ケーキの値段も、都心と比べると比較的手頃ですし、お店のロゴも手書き感があって好きです。
一人前を目指すために。現場や製品を知るための新たな挑戦
──最後に、今後の展望や目標について教えてください。
正直、これといったゴールはまだ設定できていない状態ですが、今よりもさらに成長していきたいと考えています。
今は事務が中心なので、現場や製品に対する深い理解が足りないと感じています。
そこで今後、わからないことを工場の方へ質問したり、加工の現場を見せてもらう時間を設けていただくことになりました。
質問をすると、どの方も優しく教えてくださいます。
私自身、もともとは挑戦が苦手なタイプで、現状維持を好むほうなのですが、この機会に積極的なチャレンジをし、しっかり基礎を固めながら、少しずつできることを増やしていきたいと思っています。
まとめ
「不安7割、期待3割でした。」
そう話してくれた前川さんですが、今では熊野での生活にも少しずつ慣れ、仕事にも手応えを感じ始めていると言います。
まだまだ「10点満点で5点」と話す仕事の満足度も、目標とする存在がいるからこそ、これから伸びていく途中なのかもしれません。
現場や製品のことをもっと知りたい。
その思いから、これからは工場での学びも増えていく予定です。
もともとは「挑戦が苦手なタイプ」だと言う前川さん。
それでも一歩を踏み出したからこそ、新しい仕事や満足度の高い暮らしへとつながっているのだと感じます。
熊野という土地で、少しずつできることを増やしていく。
その歩みは、これからも続いていきます。

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