2024.12.23 Mon

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早稲田大学 高口研究室

第1回熊野こどもだいがっこう活動報告 ~1日目:製材業体験~

#トピック, #遊木の改修プロジェクトwith早稲田大学

こんにちは、早稲田大学高口研究室の上原です!
2024年11月2日から4日の2泊3日、宿泊形式で第1回熊野こどもだいがっこうを実施しました。

改めて、熊野こどもだいがっこうとは?
熊野の漁業や林業・製材業を営む企業と、早稲田大学・三重大学・近畿大学の共同で作り出していくプログラムです。
小学生を対象とした二泊三日の職業体験合宿を通じて、大学生と共に熊野の産業を学び、将来を考える機会を提供しています。
本来は8月に開催する予定でしたが、台風の接近により中止を余儀なくされる事態に。
しかし、ここで今年度の活動を終わりたくない、今年度集まったメンバーでやり遂げたいという想いがあり、11月の延期開催を決断しました。

【1日目 製材業体験(担当:早稲田大学 高口研究室)】
子どもたちや大学生にとって有意義な3日間になるのか、高揚感と不安感が入り混じった勘定で当日を迎えました。
あいにくの雨でしたが、nojimokuさんのご協力により、木を五感で感じることができる原木市場の会場で1日目のプログラムを実施することができました。
子どもたち7人全員が集合したところで、野地校長の開校宣言により、熊野こどもだいがっこうが開校しました!

↑開会式の様子。野地校長の話を真剣に聞く大学生と子どもたち

開会式・自己紹介を終えた後は、早稲田大学が担当する製材業についてのプログラムです。
このプログラムは、nojimokuさんのご協力のもと、約半年間かけて考えてきました。
大雨の影響で外に出ることができず、急遽前日に変更した部分もありましたが、「いい木とは何か」「熊野地域はどんな木を育てているのか」が伝わるプログラムになるように、直前まで打ち合わせやデモンストレーションを行いました。

1日目最初のプログラムは、セーザイゲーム。
セーザイゲームとは、製材会社の経営を疑似体験できるゲームです。
原木ボードを競りで仕入れ、木取りカードを配置して木取りを行い、切り出した材木を換金してお金を稼ぎます。
ゲームはチーム戦で、大学生&小学生チームが3つ、大学生チームが2つの合計5チーム設けて行いました。
打ち合わせの際、「セーザイゲームを理解するのは子どもたちにとっては難しいのでは?」という意見も出ていましたが、想像以上に盛り上がり、「節のある木とない木の価値の差」を理解しながらアイスブレイクも兼ねてゲームを進めることができました。

↑真剣に木取りを考える小学生と大学生

↑木取りした木材を換金。みんな着々と儲けていく。

次は、製材業についての座学の時間。
製材業従事者の野地伸卓さんに授業をしていただきました。
テーマは「林業・製材業のいまを知り、これからを考えよう」。
セーザイゲーム後の種明かしのような時間で、真剣に話を聞く姿が印象的でした。
小規模工場と大規模工場の違いや、熊野の林業の特徴を分かりやすく教えていただき、子どもだけではなく大学生にとっても学びが多い、製材業のこれからを考えさせられる時間でした。

最後のプログラムは、グループ発表。
三重県の山からはいい木材が多く取れ、それらの材は和室に重宝されるが、いま和室はどんどん減っているという現状を踏まえて、大学生と子どもたちで「三重県の林業・製材業を活性化するためのアイデア」を考える時間を設けました。
「和室を海外に普及させる!」「プラスチックで出来た製品を木で作ってみる!」「和室を作るための補助金を出す!」など、斬新で面白いアイデアから真面目な意見まで、様々なアイデアを積極的に発表してくれました。発表をする頃にはチームでの仲も深まり、子どもたち同士協力し合って発表している姿が印象的でした。
私も含め、小学生の柔軟な意見に刺激される大学生も多く、また大学生が子どもたちのアイデアを上手く引き出していってくれたおかげで子どもたちもどんどん積極的になっていき、「大学生と子どもたちが共に学ぶ」というメリットを肌で感じることができた時間でした。
また、最後にはnojimokuさんから発表に対するコメントもいただき、事業者の方々によってさらに有意義な時間を過ごすことができました。

↑グループ発表の様子。少し緊張しながらも、全員の前で一生懸命発表してくれました。

製材業についてのプログラムを終えた後は、全員で熊野少年自然の家へ向かいました。
夕食やお風呂など、メインのプログラム以外の時間でも子どもたちと大学生が自然に交流し仲が深まっていて、時間の経過とともにみんなの素の姿が見れたのがとても嬉しかったです。

また、1日の最後には参加大学生全員で集まって、学生会議を行いました。
今日1日、小学生7人それぞれどのような成長があったか、どのような性格の子か、どうサポートが必要かなど、子ども担当の大学生から全体へ共有があり、明日のプログラムやより一層充実したものになるように引き継ぎを行います。
大学生全員が熊野こどもだいがっこうの一員として、真剣に子どもと向き合っているのが伝わり、熊野こどもだいがっこうを成功させる上でとても大切な時間でした。

1日目全体の個人的な感想としては、
子どもたちは本当に些細なことにも興味を持ち、積極的で、行動力があるなと感じる場面が多かったです。
私だけではなく、多くの大学生がやりたいことは納得いくまでとことんやりたい!という子どもたちの様子に刺激を受けていました。

天候によって変更を繰り返した、約半日間という短いプログラムでしたが、想像以上に子どもたちや大学生のリアクションが良く、ここまで準備を進めてきてよかったなと強く感じた1日でした!(その2「2・3日目:漁業・建設業体験」に続きます!)

(文責:上原)

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